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名古屋地方裁判所 平成5年(わ)806号 判決

被告会社

株式会社齋藤商工

本店所在地

名古屋市南区曽池町一丁目三〇番地

代表者代表取締役

齋藤秀夫

被告人

齋藤秀夫

本籍

愛知県春日井市六軒屋町字西丸田五九番地の三

住居

名古屋市天白区梅が丘二丁目六二七番地

生年月日

昭和一二年一一月二九日生

職業

会社役員

検察官

宇川春彦

弁護人

守田利弘

主文

被告人株式会社齋藤商工を罰金二〇〇〇万円に、被告人齋藤秀夫を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人齋藤秀夫に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社齋藤商工(以下被告会社という)は、名古屋市南区曽池町一丁目三〇番地(平成五年二月二八日までは名古屋市港区藤前三丁目三一三番地)に本店を置き、工作機械の販売等を目的とする資本金四五〇万円の株式会社であり、被告人齋藤秀夫(以下被告人齋藤という)は、被告会社の代表取締役として、同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人齋藤は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上するなどの方法により、所得を秘匿の上

第一  昭和六三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が六七一〇万九九五八円であったのにかかわらず、平成元年二月二八日、同市中川区尾頭橋一丁目七番一九号所在の所轄中川税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額が二三二九万九〇九三円で、これに対する法人税額が八四七万五二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二六八七万五四〇〇円と右申告税額との差額一八四〇万〇二〇〇円を免れ

第二  昭和六四年一月一日から平成元年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億四二三二万七六九七円であったのにかかわらず、平成二年二月二八日、前記中川税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額が七二二九万五一七二円で、これに対する法人税額が二九五六万三五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額五八九七万六九〇〇円と右申告税額との差額二九四一万三四〇〇円を免れ

第三  平成二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億〇一七九万二三六三円であったのにかかわらず、平成三年二月二七日、前記中川税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額が一億三二九九万四八一八円で、これに対する法人税額が五二〇五万三六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額七九五七万二八〇〇円と右申告税額との差額二七五一万九二〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告会社代表者兼被告人齋藤の当公判廷における供述

一  被告会社代表者兼被告人齋藤の検察官に対する供述調書(乙2ないし乙4)

一  中田年信(甲16)、加藤守一(甲28)、城戸俊昭(甲34)、森克之(甲35)、西川眞理子(甲38)、丹羽紀子(甲40)の検察官に対する各供述調書

一  竹川和男(甲29、30)、日栄勇松(甲31、32)、水野正雄(甲33)、浅野正美(甲36、37)、牧野芳子(甲39)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  検察事務官作成の各捜査報告書(甲6ないし8、11、13、15)

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(甲4、5、9、10、12、14)

判示第一の事実について

一  鵜飼孝一作成の証明書(甲1)

判示第二の事実について

一  鵜飼孝一作成の証明書(甲2)

判示第三の事実について

一  鵜飼孝一作成の証明書(甲3)

(法令の適用)

罰条 各事業年度ごとに法人税法一五九条一項

(被告会社につき、更に同法一六四条一項、同法一五九条二項)

刑種の選択 被告人齋藤につき懲役刑を選択

併合罪加重 被告会社につき、刑法四五条前段、四八条二項

被告人齋藤につき、刑法四五条前段四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

刑の執行猶予 被告人齋藤に対し、刑法二五条一項

(裁判官 後藤眞理子)

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